レヴィ・ストロース 「神話論理」

受け売りをそのまま書くと、『構造人類学の探究の頂点、20世紀思想の金字塔。クロード・レヴィ=ストロースの主著『神話論理』全5巻(フランス語版原著全4巻)は、III 『食卓作法の起源』まで翻訳刊行が進みました。』

とあるので、とりあえず既刊の3巻分を借りてみた。

しかしとにかく、敷居が高いというか、ハードルが高い。

まずは物理的なハードルの高さから。

各巻それぞれ600ページくらいある大著のハードカバーで、電車の中で読むなんて無理。それぞれ、最近のノートPCよりも重い。価格もかなり高い。とりあえず買って、そのうち読もうというには、各巻8000円くらいするので、ちょっとためらわれる。

そして、何といっても内容のハードルが高い高い。

数百の神話を、極めて精緻に分析・分類することによって、思考のシニフィエとでもいうべきものを導き出していく過程が延々と続く。導出する過程で様々な対比軸や分類軸が提示されるが、どうしてそれらが対比軸に成りえるのかを理解するのが大変。

例えば、昼の太陽は、夜の天の川として表現され、夜の月は昼の虹として表現されるという。これはこれで、(昼間でも月は見えるじゃん・・・)などというツッコミを入れたくなるが、まだ直感的に理解可能な範囲。

しかしこれらを構造的に図示すると、天の川と虹が直行し、そのまわりをとりまく円周上に、太陽・月・星座が「1日の結合価」「月間の結合価」「年間の結合価」「季節の結合価」という説明を解して取り巻くような図が出てくるに至ってはさっぱりお手上げ。レヴィ・ストロースの考え方というか、脳内を理解しないと、多分、読めない。

「神話論理の森へ」という入門書があるようなので、やはりそちらから入って行こうか。。。

※ちなみに、この↑文章を書いていたのは2年ほど前(2009年)だったのだが、そのすぐ後、2009年10月30日に、レヴィ・ストロースは満100歳で亡くなった。また、2010年、第4巻(上下2冊)が刊行され、完結した。