過ぎたるは猶及ばざるがごとし

ぼくの会社は12末決算なので、2末が申告期限。やっと提出準備が整った。
そして、毎年思うことなのだが、税務って、複雑すぎてややこし過ぎるのではということ。

国民の義務だというのはわかる。ただ、義務というからには、「交通信号の赤は止まれ」と同じくらい、誰にでもわかりやすく、というのが基本じゃないんだろうか?

今回の提出分から、外国法人は提出書類が増えた。理由あってのことだとは思うが、たとえばその書類の記入欄に「法人税法第141条第1号に掲げる国内源泉所得に対する法人税額の計算」欄と、「法人税法第141条第1号に掲げる国内源泉所得に対する法人税額の計算」欄がある。

・・・「イとロの違い」を知ってる人間がいったい日本に何人いると思っているのか???(笑)

まあこれに限らず、「税理士」という職業が成立するくらい、税務は複雑だということだ。

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おそらく、頭も良くて、かつ、ヒマな人たちが、ありとあらゆるビジネスシーンを想像して、それら全てに対応すべく、微に入り細に亘ってルールを拡張していった結果がいまの税法なんだろう。その結果、複雑なルールを正しく理解して納税するには、資格を持った専門家が必要になってしまった。

とにかくここまでややこしくなると、税理士無しに申告するのも大変だし、申告された数字をチェックするほうも大変だろう。その結果、「税金を払う気マンマン」だった人すら、払う気がなくなるような気もする。

昔、ヨーロッパの教会が農民たちから税を取るために「十分の一税」というのがあったそうだ。全ての農作物の10%が神のものであるという起源によるものらしい。それが妥当なものだったかどうかはわからないが、とにかくわかりやすいことは間違いない。

日本でも、10%は大きすぎるとしても、たとえばすべての取引について、「取引額の1%を、受けたものが支払う」という「100分の1税」とかを導入してはどうだろう?

そのかわり、消費税も所得税も相続税も撤廃。お金が動くときだけ、お金を得たほうが1%を支払う。商売をやってる場合は売上の1%だし、給与をもらった場合でも家賃をもらった場合でもその1%が税金に回る。遺産を相続したら相続分の1%。わかりやすいことこの上ない。都度都度払ってもいいし、まとめてでもかまわない。子供に千円の小遣いを与えた時も、親が「10円は税金」と教えることで、子供のころから納税義務が身に付くし、税収の使途にも興味が向かうというものだ。

何万人という税理士が失職するだろうけども、日本全体の間接費が大きく削減されると考えれば彼らに転職してもらう価値は十分にあると思うのだが。

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税務のことばかり書いたが、ヒトの営みは、放っておくとどんどん複雑化し、先鋭化していくというのが人類の性(さが)なのかもしれない。どんなジャンルにでも「凝り性」の人というのはいるし、しかも「そのジャンルでひとりだけ」ではなく、「複数の人たちが競い合う」のが常だ。

知り合いに現代音楽を作曲する専門家がいるのだが、作曲家同士の作品発表を聴くと、これはもうほとんど「作曲家に聴かせるための曲」としか思えないような曲が集まる。

「60点取れればOK」ではなく、「俺は98点」「私は99点」「何を隠そうぼくは99.5点」「頑張って99.78点が出た」「99.889点」・・・コンマ以下の差なんて、普通の人にはわからないが、道を究めた人たちの間ではそれが重大な差異になるのだろう。オリンピックに集うアスリートたちも、そのコンマ以下の世界を競ってるのかもしれない。

頂点が高くなればなるほどすそ野が広がる。人類の文明はそうやって発達してきたのだろうと思うし、高みを目指す人たちがいなくなったら人類はいつか滅びてしまうのかもしれない。

しかし、くどいようだが、税務は高みを目指すようなものじゃないと思うのだ。。。