愛と哀しみのボレロ(Les uns et les autres)

1981年公開の有名なフランス映画で、ご存じの人も多いと思う。ぼくも大昔映画館で見て感激し、レーザーディスクも購入していた。(当時DVDなんて無かったのだ)。その後LDプレーヤーは故障してしまったのだが、その頃には世の中DVDの時代になりつつあり、いずれ気が向いたらDVDで買い直そう・・・と思ってプレーヤーの廃棄と同時にディスクも処分し、さらにその後忘れて長い年月が経ってしまった。

それが先日、ふとしたきっかけで「肉声によるボレロ」をどうしても聴きたくなった。有名な映画なので、とりあえず某有名レンタル店で借りてみようと考えて出かけてみたところ、見当たらない。あれ~?と思って在庫検索してみると、そもそも置いていないようだった。

そんなバカな、と自宅に戻って改めて調べ直してみると、愛と哀しみのボレロのDVDというもの自体が日本に流通していないことがわかった。1999年に一度発売されていたようなのだが、その後絶版になったようで、オークションを覗くとトンデモナイ価格がついている。レーザーディスク版は安価に出品されていたので、中古のLDプレーヤーを併せて買ってもそのほうがまだ安いくらい。

・・・しかし。一度は処分したLDをもう一度買い直すというのは大変に悔しい。それに、ディスクだけならともかく、LDプレーヤーをこのためだけに購入するというのは、いくらなんでも無駄遣いではなかろうか、と踏みとどまった次第。

ただ、「もう一度聴きたい」という願望は冷めやらず、全編でなく、当該の部分だけでも動画サイトにアップロードされていたりして・・・と、あれこれ探してみると・・・・あれこれ探すまでもなく・・・あっさり見つかった。Youtubeには山ほどアップされているし、fc2という動画サイトにいたっては、なんと全編が(3分割されていたが)存在していた。

おかげて、結局1円も使わずに目的を果たすことができてしまった。(画質の問題はいちおう、置いておくとする)。映画なので好き嫌いは当然あろうかと思うが、いわゆる名作には違いないはずで、そんな作品が動画サイトでしか観られない、逆に言えば無料で観られるというのは、何か世の中が間違っていると思うのだが。。。。

ついでに、コンテンツについての解説を少々。この映画、大ざっぱにはロシア、フランス、ドイツ、アメリカの音楽家(それぞれに実在のモデルがいる)とその家族・子孫が第2次世界大戦をはさんで織り成す物語なのだが、登場人物が極めて多い上、1人2役も多くて、ストーリーを正確に把握するのがかなり難しい。

別にストーリーのディティールがわからなかったからといって映画の価値を損なうようなものでは無いとも思うのだが、気になりだすと止まらない。「あれ、ジャックの親父というのは、ひょっとしてフォリー・ベルジェールの支配人と同一人物では・・?」というような些細な疑問が後を絶たない。

誰か詳しく解説している人はいないのか・・と調べてみると、「ヘラルド映画文庫」(日本で公開されたときの配給元が日本ヘラルドだ)に収録されていることが判明。さっそく入手し、細部に至るまでの疑問も全て解消されて大変に気持ちの良い思いを味わった。

しかし、このヘラルド映画文庫も絶版なのだ。ぼくは幸い安価に入手できたのだが、これだっていつ法外な価格になってしまうとも限らない。困った世の中だ。。。。

追記:どうやら2013年の早い段階でDVDで再販されることになったらしく、amazonで予約を受付けていた。やはり世の中捨てたものでもないのかも(笑)