宇宙じんをつかまえろ(計画編)

もちろん宇宙人ではなくて、宇宙塵(cosmic dust / space dust)のこと。先日ロシアに落下した隕石のニュースを見ていて、昔、まるで黒真珠のように綺麗な宇宙塵を観て感動したことを不意に思い出した。(たしか1mmより大きいのが隕石で、それより小さいのが宇宙塵ということだったと思う)

隕石が落ちてくるとニュースになったりするが、宇宙塵クラスの小さな奴はしじゅう地球に降り注いでいるので、わりと簡単に集めることができるようだ。古いビルの屋上などにいくと、長年降り積もった宇宙塵がたくさん採取できたりするらしい。ただし、宇宙塵よりも地球塵(煤や花粉やほこり、諸々)のほうが圧倒的に多いので、どうやってより分けるのかが大きな問題だが。

とにかくあの黒真珠の感動を再現すべく、実行計画を考えてみた。何をするにしてもこの段階が一番楽しい。

(1) まずは採集方法
すでに降り積もっているものを集めるのは何となくゴミ収集みたいなので却下。採集面積で考えれば、屋根に降った雨が全部集まる雨どいを利用するのが効率良さそうだが、うちはマンションなので、雨どいには「ホントウに雨水だけが流れているのか?変なものも一緒に流れてきていないか?」という疑いがぬぐいきれないためこれも却下。効率は悪いが、大きな漏斗で直接雨水を集めてペットボトルに溜め、それをろ過して観察しようと方針決定。別に急いでいるわけではないので日数はかけても良いし、漏斗もいくつか用意すればよいだろう。

(2) 選別方法
雨水の中にどのくらいいろんなものが集まるかで選別方法も考えないといけないが、隕石よりも「隕鉄」になりそこなった宇宙塵のほうが美しいようなので、場合によっては強力磁石をパラフィン紙か何かで包んで採集品をかき回せば良いのかもしれない。これは実行時に考えることにする。

(3) 観察方法
観察には顕微鏡が必要だ。実は実行計画まで考えようと思い至ったのは、数十年ぶりに顕微鏡について調べてみると、昔と違って実に便利なものが手頃な価格で手に入るということが判明したため、という即物的な理由も大きい。

昔同様、解像度(分解能)を度外視して「1000倍の高倍率」みたいな広告を出しているまがい物も見受けられたが、昔にはなかったものとして、「マイクロスコープ」というものがある(訳すと顕微鏡だが)。拡大の仕組みは普通の顕微鏡を同じだが、結像をCCDで受けてUSB経由でPCに送り込み、PC画面で見るというもの。望遠デジタルカメラと原理は同じかな。

昔は「見やすい」顕微鏡というと結構高価な複眼顕微鏡くらいしかなかったが、PC画面で見られるのならこれほど見やすいものはない。固定する台もついて価格も1万円前後で手に入る。用途としては宝石の鑑定やお肌のチェックがうたわれているが、それ以外にもエヘン虫(花粉)の正体とか、星砂なんかも見て楽しいかもしれない。うん、楽しみだ。