東京大阪の比較ネタというのは、秘密のケンミンショーを見ても分かるように無限にあるのだが、極めて個人的な思い出をいくつか。
西梅田の地下にkioskふうの売店がある。(普通にある例のやつ)。その店で唯一他と変わっていたのが、タバコも売っているため、「こばた」と、赤地に白い小さな看板が出ていたこと。ある日、同僚数人とそこを通りかかったとき、その中の1人(女性)が、ちょっと驚いたふうに「小旗なんか売ってて誰が買うんやろね?サッカーの応援かしら?」とつぶやいた。
もちろん一同爆笑で、「小旗屋て、どんだけマイナーな店やねん」とか「俺イタリア1つ~とかフランス2つ~とか言うんかい!」とか散々からかわれたということがあった。ただ、大した話でもないし、その後そんなことはすぐ忘れた。
ところが数年後、東京に転勤して驚愕したのは、馬喰町のあたりをたまたま歩いていると、ホントウに「小旗屋」があったのだ!イタリアやフランスの小旗がショーケースに並んでる。
やはり東京は大都会だ・・・と思ってしまった一瞬。
もう1つ。御堂筋の地下、近鉄なんば駅への階段の近くに小さな売場があって、朝は新聞やらタバコやらを買う客で相当混雑している。
この売場をたった1人でさばいているオバちゃんがとにかくすごいのだ。人間技とは思えないスピードで客をさばいていく。「すごい」と思ったのはぼくだけではないようで、『1分で60人以上の客をさばくおばちゃん』として朝日新聞の記事にもなっていた。
このくらいのスピードになると、買うほうも少し緊張する。オバちゃんと対面になった瞬間には、商品と現金を明確に示せていないといけない。オバちゃんは0.1秒ほどそれらを画像認識したあと、おつりの要不要とおつり金額を瞬時に判断・計算し、おつりを渡しながらすでに次の画像処理を併行して行っている(に違いない)のだ。オバちゃんと対面になりながら、「やっぱりこっちの新聞かな」なんて迷おうものなら周囲から怒号が飛んできそうな雰囲気がある(笑)。
ちなみに、この売場に隣接している近鉄なんば駅へのエスカレーターは、朝は「高速運転」をする。『真ん中のエスカレーターは高速運転をしています』というアナウンスを聞きつつ、近鉄から御堂筋への乗り換え客は、脱兎のごとく高速エスカレーターをさらに駆け上がり、この売り場で新聞を買って電車を乗り換えるのだ。
さらにちなみに、どこかの調査で、世界の大都市で人々の歩行速度を測定したというヒマな記事を読んだことがある。それによれば、大阪市民の平均歩行速度はニューヨーカーをも凌ぎ、堂々の世界第一位だった。
時々、東京の日本橋とかで込み合うkioskを見ながら、「まだまだやな」と思ってしまう瞬間。